「常に新しい食材を試したいというシェフのニーズは高い」。直源醤油(しょうゆ)(金沢市)の直江潤一郎社長は七月下旬、米ニューヨークとロサンゼルスに出張。新たに開発したワサビやユズ果汁が入った新しい粉末しょうゆを飲食店に直接売り込み「手応えを感じた」という。
米国ではドレッシング類も扱っており、中でも粉末しょうゆは和食以外に、イタリア料理やスイーツに幅広く使えると重宝されている。通常のしょうゆに比べ塩分が低い点も評価されていて、九月には現地で開かれるレストラン向け展示会にも出品する。
同社の海外輸出先は中国・香港が六~七割で、特に幼児向けの「赤ちゃんしょうゆ」が食の安全を求める富裕層に人気がある。米国はまだ二割だが、本年度の経済産業省の地域産業資源活用事業の採択を受けて新たに販路を開拓し、二年後の海外売上高を直近の三倍の年六千万円に伸ばす考えだ。
ヤマト醤油味噌(みそ)(金沢市)は、アルコールの発生を抑制する製法でつくった「ハラル認証」のしょうゆとみそを国内の訪日外国人向けに発売。これらをベースにしたドレッシングやつゆ、たれなどの加工品をマレーシアに輸出しようと準備を進めている。
マレーシアは経済発展や中間層の所得向上に伴って食の多様化が進んでいる。現地のイスラム教徒の間でも日本食への関心が高まってきており、現地の要望を受けて商品開発を始めた。
同社の海外輸出先はフランスを中心に欧州が四割で米国、東南アジアがともに三割。有機みそや生じょうゆなど取り扱う商品は二十数種類に上り、山本晴一社長自ら海外でみそづくり教室を開くなど売り込みに熱心だ。
「健康志向から発酵食文化や日本食への評価が海外で高まっている。市場開拓の余地は大きい」(山本社長)とし、海外売上高を年一億五千万円から近く二億円にする目標を掲げる。
みそ製造販売の米五(福井市)は中国・香港や台湾、シンガポールにみそを輸出。鍋料理やラーメン店向けに需要があるという。昨年五月には中国向けの越境電子商取引(EC)を利用して、インスタントみそ汁の販売も始めた。
海外売上高比率はまだ1%に満たないが、5%にまで高めるのが目標。多田健太郎常務は「もう少し辛味の強いみそを求める声もあり、現地向けの商品を売ることも検討していきたい」と話した。
